(この記事は2020年6月に執筆しました。常に新しい情報を更新してまいりますので、ぜひ他のブログ記事もご覧ください。)
オンラインウエディングについてのニュースを耳にする機会が増えてまいりました。
皆さんの注目度も高いようですね。
オンライン結婚式って、どんなことをするんだろう?
費用はいくらぐらいかかるんだろう?等々、興味がおありの方もいらっしゃるかと思います。
その話はまた別の機会に書くことにしまして...、
さて、今日は「オンラインウエディングで使用する音楽の著作権について」の話です。
タイトルで、「使える音楽」と書きましたが、おすすめの音楽の話ではなく、オンラインウエディングの音楽の著作権について記しておきます。
今から書く話は、弊社だけが特別にこんな風にしてますよ、という話ではなく、
法律を遵守するとこうなりますよ、という話です(^^)
今回、オンラインウエディングを企画するにあたって、
一番難しくて、大変だなぁ、と感じたのが著作権のことでした。
まず最初に、通常の披露宴での著作権の話からしましょう。
音楽業界では、作曲者・作詞者・製作者などの権利が法律で保護されています。
結婚式においても演奏権・複製権など、法律を遵守することが求められています。
演奏権とは、
音楽を流す、演奏する権利のことを言います。
これは、楽曲を一時的に利用する権利です。
楽曲の権利は、作詞作曲したアーティストにあります。
ほぼ全ての作詞家、作曲家は、自分たちの楽曲に関する権利をJASRACやNexToneに預け入れており、その数は約600万曲にのぼります。
演奏権については、ホテルや結婚式場などは著作権管理団体(JASRAC)と包括契約を結んでいるため、原盤CDの使用はOKなんです。
披露宴のBGMとして市販CDや著作権フリーの素材をそのまま再生する場合には「複製権」の処理は必要なく、新郎新婦様のお好みの曲を自由にお使いいただけるということですね。
そして、
複製権というのは、
音楽を複製、録音する権利のことです。
DVDの中に音楽を入れたり、パソコンやスマホの中に音楽を入れる、BGMをCD-Rに焼く、などの行為自体が複製になります。
複製が許されるのは私的利用のみで、結婚式のように多数の方へ向けての使用は私的利用に当てはまらないとされるため、別途許諾が必要になります。
複製権については、作詞家・作曲家だけでなく、レコード会社もその権利が認められているため、両者の許諾が必要になります。
その許諾を一回の申請で代行してくれるのが、ISUMという団体になります。
(2020年6月24日現在、17,305曲が登録されています。)
と、ここまでは、通常の披露宴での著作権の話です。
ここからは、オンラインウエディングで使われる権利についての話です。
生配信で音楽を流すときには、
公衆送信権の許諾と、
送信可能化権の許諾の両方が必要になります。
公衆送信権は、作詞・作曲家がその権利を持っていて、JASRACあるいはNexToneに委託しています。
ですので、オンラインウエディングで使いたい楽曲がある場合は、その楽曲の権利を有しているのがJASRACなのか、NexToneなのかをまず調べる必要があります。
そして、どちらに権利があるかを調べた上で、許諾を得るための申請手続き、使用料の支払いなどをする必要があります。
もう一つの、
送信可能化権、こちらは、2020年6月現在、申請を受け付ける総合的な窓口がありません。
ですので、その楽曲の権利を持っているレコード会社を探して、個別に許諾を得るしか方法はありません。
ある情報によりますと、
2020年7月1日に、日本レコード協会がブライダル向けの生配信に関する申請窓口を開設するという話があります。
7月1日以降は、その窓口に連絡をすれば受け付けてもらえることになりそうですが、
ただし、「好きな楽曲ならなんでも使える」というわけではないので要注意です。
使える曲はかなり少ないのではと思われます。
ということで、結論ですが、
現時点で、すぐに使える楽曲は、許諾が要らない楽曲、ということになります。
・著作権フリー音源(生配信での使用を許可している曲に限ります)
・著作権が消滅している楽曲を生演奏する(賛美歌を歌う)
いずれかです。
そして、そして、HITランドとしての結論。
できないことに注目してしまいがちですが(もちろん、今までの話が大事なことだと理解をした上で)、できることに注目してみましょう。
著作権が消滅している楽曲(作者没後70年経っている曲)なら、挙式で使用が可能です。
挙式で賛美歌を歌う。あるいは、生演奏する。それなら、今でもオンラインで生配信できます。
先日のオンラインウエディングでも賛美歌を歌い、生演奏しました。
また、著作権フリー音源にも、素敵な楽曲はいろいろあります。
楽曲のご用意なども、弊社にてお手配することができます。
オンラインウエディングは、様々な可能性があるコンテンツだと思います。
遠方や海外に住んでいるゲストをオンラインでお招きする。
何らかの事情で当日列席できないゲストに、生のビデオレターのようにメッセージをもらう。
ここには書きませんが、オンラインウエディングならではの余興案もいろいろあるでしょう。
その中で、音楽というのも非常に重要な役割を持っていますので、著作権を適切に守った上で、楽しいパーティーになるよう演出をしていけたら、と考えています。

#オンラインウエディング #オンライン結婚式 #オンラインウエディングの音楽 #オンラインウェディング #ブライダル音響 #ライブ配信